味を変える!料理酒のヒミツ
1.味を変える!料理酒のヒミツ
お酒の中には料理酒というものもあり、お酒を料理の調理過程で使い、その料理を一層引き立たせる役割があります。何気なく使ったりその料理を食べたりしているかも知れませんが、具体的にどんな効果や使い方があるのでしょうか...本項ではそれについて解説していきます。
2.料理酒の効果
〇生臭さを消す
「共沸効果」という、アルコールが蒸発する際に、他の匂い成分も一緒に飛ばす効果を利用しています。臭みの強い肉や魚料理などの調理によく使われます。
〇素材を柔らかくする
アルコールに含まれる成分により、素材を柔らかくし、食感も良くなるとされています。肉料理の下味や煮込みに加え、ぱさつきを防止します。
〇味を染み込みやすくする
アルコールは浸透性が髙いので、他の調味料の味も染み込みやすくなります。それにより、いわゆる「時短」などにも生かせます。
〇コク、旨味をプラス
料理酒は原料の米由来のデンプンを、米麴(こめこうじ)が糖に分解し、そこからミネラルや窒素成分、有機酸などが生まれ、豊かな風味に仕上がります。料理においては隠し味の役割を果たしています。
「煮きり」という、一度沸騰させアルコール分を飛ばした料理酒の使い方もあり、火を通さないあえ物や酢の物に加えると味の調整にも役立ちます。
〇旨味を閉じ込める
アルコールの成分は素材の旨味を逃さない役割もあります。(ただし、加塩タイプの料理酒は旨味が溶け出しやすい場合も)旨味を閉じ込めることで荷崩れ防止にもなるそうです。
似たようなものとして、フランスには調理の仕上げにアルコール度数の高いブランデーやラム酒をフライパンへ振りかけて火を立たせ、これらの効果に加え風味や香り付けを行う「フランベ」という調理法があり、肉や魚料理、またデザートなどにも使われているそうです。
3.料理酒を入れるタイミング
料理の内容や調理法にもよりますが、味を浸透させたり、素材を柔らかくする効果を上手く活かすためにも、他の調味料より先に入れるのがオススメです。
ちなみにみりんは逆で、他の調味料より後に入れた方が照りや風味を出せるそうです。
4.しかし注意点も...
料理酒と記載のある商品は、大半には2%前後の塩分が含まれています。これは料理酒として、“お酒”としては飲めないように(実際、口にすると海水のようにしょっぱい)塩分を加える処置が酒税法で定められているためです。それゆえ、お酒の販売免許のない店でも販売が可能で、酒税もかかりません。
調理の際の注意点ですが、多くのレシピのように「酒大さじ〇杯」とある場合、「塩分を含まない料理酒」を使用した際の分量になります。そのため、加塩の料理酒を使う場合、塩気が増しすぎないよう、こまめに味見をするのが大切です。
塩分が気になる方は、無塩の料理酒(お値段は高くなる)や、日本酒の「清酒」を使ってみるのがおすすめです。
5.まとめ
料理酒はこのように、上手く利用すれば料理の味をより引き立たせることができます。塩分の気になる方は無塩の料理酒や清酒を使ってみるなど、用途に応じて変えてみるといいでしょう。是非、お試しあれ。
お酒買取コラム